体験レッスンで初めて来塾する生徒さんの対応をしているときに感じることがあります。
親に言われたから体験にきた、塾へ行くこと=負けること(自分がだめだから)、と考える生徒さんもいるようです。

全然そんなことはありません!
私の受験生の頃のお話しを聞いて下さい。

私自身は公立高志望だったのですが、中3の夏には塾へ行くことよりも、教材で頑張ることを選択しました。
30年以上前ですので、今のような個別指導というスタイルの塾はなく、当時は一斉指導の講義式スタイルの塾しかありませんでした。
学校の授業のようなスタイルに抵抗があり、自分のペースで頑張りたかったのです。
いくつか来ていたDMから自分に合いそうなものを選んで、親に注文してもらいました。

まず7月に、夏休み用30日分の「受験対策・英数」の問題集が届きました。
当時、勉強はそれなりに自信があったのですが、ほとんど解くことができませんでした…
初めて見る問題も多く、解説を読んでも理解ができません…

「入試ってこんなに難しいの!?」と驚いたものです。
すんなりと解けるのは3割ぐらいしかありませんでした。

ヤバいと思った私は、すべての問題を完全に理解できるまで分析することにしました。
参考書を見ても類題が載っていません。また、インターネットもない時代です。まず仮説を立てることから始まります。
こんな感じでしたので、1日1単元やれば夏休み中に終了する問題集だったのですが、1単元やるのに数日かかるものも多く、到底夏休み中には終えることはできませんでした。

9月に入って次の問題集が届きましたが、完璧にやらないと気が済まないところがある私は、夏休み用の問題集を終えることを優先し、新たに届いたものを開くことはしませんでした。

9月下旬になっても、まだ終わりません。
誘惑にかられ、「気分転換に」と自分に言い訳をして、あとから届いた問題集に手をつけてしまいました。
すると、驚くことに、スラスラ解けます。あれ…?

しばらくして気づいたのですが、初めに届いたものは「難関私立&国立・過去問集」で、あとから届いたものは「全国公立高・過去問集」でした。

公立中に通い、公立高を受験する私には、習っていない&解けるわけのない問題集であり、また、必要のない問題集だったのです。
それに気づいてからは、初めに届いたものは解くのを辞めました。

難解な問題をこなしたことで力はつきましたが、無駄な学習で貴重な中3の夏をつぶしてしまいました…
今でも、「あの時塾に行っていれば、これは必要ないよ」と教えてもらえたんだろうな、と思います。

皆さん、塾を頼りましょう!

坂井